私は冷たいパンが食べられない

両親が離婚したのは、小学校低学年らしい。
小5までの記憶がほぼないが、大人たちが借金が裁判がと話していた気がする。

いつの頃からか、父はニートになり、母が仕事をしながら子育てをしていた。
彼女の苦労は、今ならわかるけれど、当時の私にはわからなかった。

ある日、母は「朝ごはんは冷蔵庫にあるから」と寝室から出てこなかった。
冷蔵庫にはスーパーやコンビニで売ってる10個入りの丸いパンだけ。
一口食べて、気持ちが悪くなって、食べられなくなった。

お腹がすいて仕方がないのに、食べられない。
気持ちが悪くて、胃の中に何もないのに吐いた。
私はこのまま餓死するのかと真剣に悩んだ。

あれから、私はパンが食べられなくなった。
冷たいパンは特に。

温かいパンはトーストしてつくると知ったのは、外の世界を知ってから。
下北沢で食べたパニーニには感動したし、家ではホットサンドメーカーで朝食を作ることもある。

「本来、温かいもの」として認識しているものが冷たくなっていると、
あの冷たいパンを思い出して、どうしても手が出ない。
人は食べないと死ぬ。それはわかっているのに。

余談ですが、母に促されるままトマトを丸かじりして美味しくなくて
以来、生のトマトが食べられなくなった。
今は飲食店や友人宅のトマトは食べられるし、家でも無農薬のものなら食べられるようになった。トトロの野菜まるかじりシーンは大好きです(笑)

ひじきの煮物とか、きんぴらごぼうとかも冷たいままで食べるのが苦手です。
家で食べるときはレンジであたためます。

なので、人を招いたときも、冷めたものを出したくないので、
叶うならずっとキッチンで料理をして、できたものから食べてもらう形式にしたい。
最近は少しずつ、「とはいえ冷たいものもないとバランスが…」と考えられるようにはなりました。

母に悪気があったわけではない。
それは、今ならわかります。
でも、幼いころのトラウマを癒すのには、時間がかかるし、ひとりではできないのだと、人との関わりが増えるたびに思うのでした。

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